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海外市場調査とは?リサーチ方法やおすすめの調査会社3選と費用感を解説!
2025年7月5日

近年日系企業の海外進出の動きが加速していますが、海外進出成功のためには入念な市場調査が欠かせません。日本で成功しているビジネスモデルであっても、海外進出では現地の法律や文化などを考慮した事業展開の必要があります。
本記事では、日系企業の海外進出支援を手掛ける「リアグローバル」が、海外市場調査の方法やおすすめの調査会社、費用感について詳しく解説します。
海外市場調査とは
海外市場調査とは、国外市場へ事業を展開する際に、進出先の国の状況を把握するために行う調査のことです。
海外では法制度や社会情勢、消費者のニーズ等が日本と大きく異なる場合があり、現地市場を正しく把握することが海外進出成功の鍵になります。日本国内の市場調査と同様に、競合他社の調査や事業性の調査も海外市場調査において重要な項目です。
一方で、現地にコネがない場合は必要な情報が手に入らないケースが多く、海外市場調査に苦戦する企業が多いのが現状です。そのため、現地にコネを持った専門の調査会社に外注するケースも少なくありません。
海外市場調査を含めた、企業が海外進出するための手順はこちらの記事で紹介しています。
海外進出のメリット・デメリットとは?成功事例や進出の手順をプロが解説!
海外市場調査で調べるべき項目
海外市場調査で調べるべき項目は、定性情報と定量情報でわけて考えるとわかりやすいです。
海外市場調査で押さえておくべき項目は以下の通りです。
項目 | |
定性情報 | 文化、習慣価値観宗教消費者のニーズ競合他社の強み・弱み市場のトレンド政治的なリスク 他 |
定量情報 | 市場規模成長率人口規模・年齢構成消費者の購買状況競合他社の売上 他 |
文化や価値観、宗教などは地域によって異なり、マーケティングや人材マネジメントの観点で事業に大きく影響してきます。地域性に合わせて事業内容や社風のローカライズ化が必要なケースも出てきます。様々な国を比べて自社に合った進出先を探しましょう。
また、定量情報は現地でビジネスが成功するか否かを論理的に判断しやすいので必ず押さえておきたい項目です。直近のデータだけでなく、傾向を捉えるために数年分のデータから分析するようにしましょう。
海外市場調査の方法
海外市場調査の方法はいくつかあり、一般的に行われる調査方法は以下の4つです。
- デスクリサーチ
- インターネット調査
- インタビュー調査
- フィールドリサーチ
実際には複数の調査方法を用いて市場調査が行われます。調査方法ごとに得られる情報の内容や精度が異なるので、自社にとって適切な調査方法を選択しましょう。
デスクリサーチ
デスクリサーチとは、研究機関や大学が発行した文献や専門誌などを活用する調査方法です。二次利用するデータとして、具体的に以下が挙げられます。
- 図書館の蔵書
- 専門誌
- 論文
- 新聞
- 研究紀要
デスクリサーチのメリットは、費用を抑えつつ専門的で信頼性の高い情報を集められる点です。一方でデメリットは、情報が古い可能性がある点や情報にたどりつくまでに時間がかかる点があげられます。
複数の文献を横断的に分析・収集することで、市場の歴史的・文化的背景なども踏まえて戦略を立てる材料になります。
インターネット調査
インターネット調査とは、インターネットを活用する調査方法です。近年、誰もが情報を集める際に、インターネットを利用するのではないでしょうか。
インターネット調査のメリットは、デスクリサーチ以上に手間と費用がかからない点です。手軽に大量の情報にアクセスできます。一方でデメリットは、情報の信憑性に欠ける場合や最新の情報が得られない場合がある点です。
不確かな情報を元に戦略を立てるのは企業にとって大きなリスクです。インターネット調査で得た情報は、必ず精査して使える情報かを判断しましょう。
インタビュー調査
インタビュー調査とは、自社サービスのターゲット層に直接対話形式で情報を得る調査方法です。インタビュー調査のやり方には以下の方法があります。
- 面接のような対話でのインタビュー形式
- 街頭インタビュー形式
- 電話やビデオ通話でのインタビュー形式
インタビュー調査のメリットは、数字だけではわからない対象者の価値観や考え方など心理的な情報を得られる点です。一方でデメリットは、インタビュー対象者の選定を間違うと都合の良い情報しか得られない場合がある点です。
集めた情報が定量情報に偏っている場合は、定性情報を集められるインタビュー調査の活用がおすすめです。
フィールドリサーチ
フィールドリサーチとは、実際に現地に赴いてデータを集める調査方法です。消費者のリアルな声や購買行動を知るのに有効な手段として活用されます。
フィールドリサーチのメリットは、定量情報と定性情報の両方を集められる点です。例えば、アンケート調査による定量情報収集や、インタビューによる定性情報の収集が考えられます。一方でデメリットは、現地までの旅費や通訳の手配などコストがかかる点です。
コストはかかるものの、入念な準備をしてフィールドリサーチに臨めば、戦略を立てる上で有益な一次情報を得られます。
おすすめの海外調査会社3選
最新の情報や正確な情報を得るには、海外調査を専門としている調査会社やコンサルに依頼するのがおすすめです。収集したい情報や進出先、希望する支援内容に合わせて、適切な調査会社を活用しましょう。
今回紹介するのは以下の3社です。
- クロス・マーケティング
- グローバルインフォメーション
- リアグローバル
クロス・マーケティング
クロス・マーケティングは、東証プライム上場の企業で市場調査を専門に行う会社です。業界屈指の調査実績を誇り、年間10,000件以上の海外調査を担当しています。
クロス・マーケティングの特徴は、世界85ヶ国以上に対応している点と専任の調査メンバーが質の高い調査結果をスピーディに納品してくれる点です。海外市場調査によって明確になった課題に対し、解決策まで提案するコンサルティングサービスも提供しています。
進出先国の候補が曖昧な状態でも活用しやすい調査会社と言えるでしょう。
グローバルインフォメーション
グローバルインフォメーションは、海外市場調査レポートの販売を専門に行う会社です。米国、韓国、台湾、ヨーロッパに支店を構えています。
公式ホームページでは、海外調査会社200社のレポートが30万点販売されています。欲しい情報がまとまっているレポートがあれば、調査の手間がかからずに必要な情報を入手できます。
また、必要なデータがない場合も、委託調査サービスを展開しているので安心です。具体的に必要な情報が定まっている場合に活用しやすい調査会社と言えるでしょう。
リアグローバル
リアグローバルは、日系企業のカンボジア進出支援に特化した企業です。進出する国がすでに決まっている場合は、リアグローバルのような現地に拠点を持つ支援会社の活用がおすすめです。近年、経済成長率の高さや豊富な労働人口によって、カンボジアに進出する日本企業が増えています。
リアグローバルはカンボジアの首都であるプノンペンに拠点を構えており、カンボジア現地での調査を得意としています。フィールドリサーチなどを通じて、カンボジアの人々の実態に関する情報を集められるので、精度の高い分析が可能です。
カンボジアでの市場調査だけでなく、会社設立の手続き代行や現地での生活サポートなどのサービスも提供しています。調査結果を踏まえてカンボジア進出を決めた後も、一気通貫した支援を受けられるのがリアグローバルならではの特徴です。
海外調査会社の費用相場
海外調査会社の費用相場は、調査内容や調査する国によって大きく異なります。デスクリサーチであれば50万~80万円程度で依頼できる場合もありますが、現地に人を派遣するフィールドリサーチは200万~500万円が相場になります。
事前に、調査すべき内容を精査し、調査会社から見積もりをもらうようにしましょう。調査すべき項目がわからない場合は、現地に精通した進出支援会社・コンサルの活用がおすすめです。
海外市場調査に使える補助金
海外市場調査は高額な費用がかかるので、資金調達が障壁となるケースが多いです。ここでは、海外市場調査のために利用できる補助金制度を2つ紹介します。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、日系企業が海外進出を通して日本の生産性向上に貢献する活動に対して利用できる制度です。補助上限額が3,000万円で、外注費や海外旅費など補助金の使用用途として認められている範囲が広いので、多くの企業が使いやすい制度でしょう。
申請条件の1つとして、「社内に海外事業の専門人材を有する」または「海外事業に関する外部の専門家と連携する」ことが挙げられています。進出先の専門人材が社内にいない場合は、現地の調査会社や支援会社を見つける必要があります。
海外展開支援(東京都)
東京都の海外展開支援は、都内で事業登記している事業所を有する中小企業を対象とした支援制度です。ジェトロや信用中央金庫などが東京都と連携し、1社に対し最大100万円まで原則無償で支援しています。2024年3月時点で1,100社以上の企業が利用している人気の支援サービスです。
この制度は東京都が提供する制度ですが、他の複数の自治体でも同じような補助金制度があります。海外市場調査で失敗する企業は多いので、補助金などを活用して十分な予算を確保しておくことが重要です。
海外進出に使える補助金の一覧が知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
【2025年最新】海外進出を支援する補助金・助成金ガイド | 一覧やおすすめを紹介!
海外市場調査の成功ポイントと注意点
ここでは、海外市場調査の成功ポイントと注意点を紹介します。実際に調査を始める前に、押さえておくべきポイントを知っているか否かでも結果は変わります。
ポイントを押さえて、ビジネス成功の足掛かりとなる市場調査をしましょう。
定性情報と定量情報の両方を集める
海外市場調査において、定性情報と定量情報はどちらも欠かせません。例えば、海外でのある商品の購入数を定量情報として収集した上で、なぜその商品を消費者が購入するのか定性情報も分析することで、事実を深掘りできます。
市場調査の基本ではありますが、海外進出は国内での新サービスローンチよりも、費用がかかるケースが多く、リスクを最小限にするためには、基本的な定性情報と定量情報収集の徹底が重要になります。
調査票・アンケートをローカライズする
海外市場調査で使用する調査票やアンケートはローカライズのひと工夫が重要です。その地域の文化や宗教の背景を踏まえて適切に修正しましょう。
例えば、日本語を現地語に翻訳しただけの調査票やアンケートを市場調査で利用すると、調査の意図が正しく調査対象者に伝わらない可能性があります。誤った情報を元に経営判断をしてしまうリスクもあるので、注意が必要です。
日系企業が海外進出を目指して海外市場調査をする際に、ローカライズの難しさに直面するケースは多々あります。ローカライズに不安を感じる場合は、現地に詳しい進出支援会社・コンサルと提携するのも1つの手です。
まとめ
今回は、海外市場調査の方法やおすすめの調査会社、費用感について解説しました。海外市場調査において、調べるべき項目は多岐に渡ります。
入念な市場調査が海外進出成功において重要なポイントですが、現地にコネがない場合は自社だけで必要な情報を得るのは難しいケースもあります。調査会社や海外進出コンサルなど、現地に詳しい専門家に依頼することも視野に入れましょう。
カンボジア進出を検討されている方は、リアグローバルの無料相談に問い合わせてみるのがおすすめです。「カンボジア進出で何から始めたらいいかわからない」「そもそもカンボジアに進出するかどうかで悩んでいる」など様々な疑問に対し、可能な限り対応させて頂きます。ぜひお気軽にご相談ください。