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カンボジアの貧困の現状は?貧しいと言われる理由や所得格差の実情を解説!

2026年6月29日

フィリピン 農村部

カンボジアは東南アジアの新興国(発展途上国)として知られており、「貧しい国」というイメージを持つ方も少なくありません。

しかし、近年の首都プノンペンでは、高級コンドミニアムやショッピングモール、国際学校などが増加しており、一見すると貧困国とは思えない景観が広がっているため、実際に現地を訪れると「本当に貧困国なの?」と感じる方も多いでしょう。

しかし、その発展の恩恵を受けているのは主に都市部であり、カンボジアは急速な経済成長を遂げる一方で、地方部との格差など依然としてさまざまな社会課題を抱えています。「カンボジアがどんな国か」を知るためには発展と課題の両面から見ることが重要です。

この記事では、貧困率や人間開発指数などのデータをもとにカンボジアの貧困の現状を解説します。貧しいと言われる理由や現在抱えている貧困問題についてもわかりやすく紹介します。

カンボジアの貧困の現状は?

近年のカンボジアは高い経済成長を続けており、貧困率も大きく改善しています。一方で、都市部と農村部の格差や教育機会の違いなど、依然としてさまざまな課題が残されているのも事実です。

貧困の現状を測る指標として用いられることが多い「貧困率」「人間開発指数」「多次元貧困指数」の3つのデータからカンボジアの貧困の現状を解説します。

カンボジアの貧困率

世界銀行の貧困評価報告書によると、2019年時点のカンボジアの貧困率は、17.8%とされています。2007年頃のカンボジアの貧困率は47.8%というデータもあり、ここ15年近くで大きく改善されていることがわかります。

ただし、2022年時点においてもカンボジアの貧困人口は約280万人いると言われており、完全に貧困問題が解決したとは言えません。カンボジアは現在も発展途上国ではありますが、貧困率は大きく改善しており、経済成長を続ける新興国として注目されています。

参考:世界銀行(IDA)

カンボジアの人間開発指数ランキング

人間開発指数は、「健康」「教育」「所得」の観点から国の豊かさを測る指標です。同じく国連開発計画が公表しています。

2023年時点のカンボジアのランキングは世界151位(人間開発指数:0.61)です。日本は23位(人間開発指数:0.93)であることからみても、カンボジアは現在も発展途上であることがわかります。

カンボジアの多次元貧困指数

多次元貧困指数は、その国の人々の生活実態を測る指標です。同じく国連開発計画が公表しており、人間開発指数よりも世帯レベルでの貧困が把握できます。

2022年時点のカンボジアにおける多次元貧困状態にある人の割合は約16.6%です。2014年時点では36.7%だったことを考えると大幅に改善されていることがわかります。

参考:国連開発計画(UNDP)

カンボジアはなぜ貧しいと言われるのか

カンボジアの貧困率は過去20年ほどで大きく改善しているものの、所得水準や生活環境にはまだ課題が残されています。

ここでは、カンボジアの貧困問題の歴史的背景や現在まで影響している主な理由について解説します。

ポルポト政権による影響

カンボジアの貧困問題を語るうえで欠かせないのが、1975年から1979年にかけて続いたポルポト政権の存在です。

ポルポト政権下では、知識人や教師、医師などが迫害の対象となり、虐殺や飢餓、強制労働によって約170万〜200万人が死亡したと言われています。この影響により、教育制度や医療体制、産業基盤が大きな打撃を受け、カンボジアの近代化は数十年遅れたとも言われています。

現在のカンボジアが抱える社会課題を理解するうえで、ポルポト政権の歴史は欠かせない背景の一つと言えるでしょう。

カンボジアの歴史やポルポト政権について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

カンボジアの歴史や背景を現地スタッフが簡単にわかりやすく解説!

急速な経済発展による影響

カンボジアは1990年代後半以降、高い経済成長を続けています。世界銀行によると1994年から2015年にかけて、年平均約7.6%の経済成長率を記録しました。首都プノンペンを中心に高層ビルや大型ショッピングモールの建設が進み、街並みも大きく変化しています。

一方で、急速な経済成長に対してインフラ整備や教育環境の整備が十分に追いついていない地域もあります。都市部と農村部では所得や生活水準に差があり、格差の拡大が課題となっています。

そのため、経済成長が続く現在もカンボジアには貧困問題が残っていると考えられています。

参考:世界銀行(IDA)

現在カンボジアが抱えている主な貧困問題

カンボジア 貧困

ここからは、2026年現在のカンボジアが抱えている主な貧困問題について3つ解説します。

貧困率は改善しているものの、依然としてさまざまな課題が残されています。本記事では、その中でも貧困に大きく影響している社会構造を中心に紹介していきます。

都市部と農村部の所得格差

カンボジアでは、都市部と農村部の地域での所得格差が大きな課題となっています。国連開発計画(UNDP)の多次元貧困指数を見ると、地方部では約40%の人々が多次元貧困の状態にある一方で、都市部では約7%にとどまっています。このことからも、地域によって生活環境や経済状況に大きな差があることがわかります。

特に首都プノンペンでは、外国企業の進出や都市開発が進み、富裕層や中間層も増加しています。一方で、地方では農業を主な収入源とする世帯も多く、依然として貧困層が多い状況です。

近年の経済成長によって国全体の生活水準は向上していますが、その恩恵は地域によって偏りが見られます。都市部と農村部の所得格差は、現在のカンボジアが抱える代表的な貧困問題の一つと言えるでしょう。

子どもの貧困と教育格差

カンボジアでは、子どもの貧困と教育格差も大きな課題の一つです。現在も家庭の経済状況によって十分な教育を受けられない子どもは一定数います。特に地方では中学校や高校への進学を断念してしまうケースは少なくありません。また、ストリートチルドレンや児童労働の問題も残っており、子どもが教育よりも家計を支えることを優先せざるを得ない状況も見られます。

教育は貧困から抜け出すための重要な手段ですが、教育機会の格差によって貧困が次の世代へ引き継がれてしまう「貧困の連鎖」が課題となっています。

収入の低さと雇用の不安定さ

カンボジアでは経済成長が続いている一方で、収入の低さや雇用の不安定さが課題となっています。

失業率は2023年時点で0.7%と低水準ですが、多くの人が十分な収入を得られているわけではありません。実際に、2023年時点でも就業者の約36%が農業に従事しており、収入が天候や農作物の価格に左右されやすい状況です。

また、カンボジアではインフォーマル雇用(非正規雇用や個人事業など)の割合が高く、ILOの調査では就業者の約88%がインフォーマル雇用であるというデータもあります。こうした働き方では社会保障を十分に受けられないケースも多く、病気や失業をきっかけに生活が不安定になるリスクもあります。

このような収入の低さや雇用の不安定さは、現在もカンボジアの貧困問題を支える要因の一つとなっています。

参考:国際協力機構(JICA)

参考:The International Labour Organization(ILO)

まとめ

本記事では、カンボジアの貧困の現状や貧しいと言われる理由、現在抱えている貧困問題について解説しました。

カンボジアは、かつてASEAN諸国の中でも最貧困国の一つと言われていましたが、近年は高い経済成長を続けており、一人当たりGDPでも周辺国との差を縮めつつあります。

カンボジアは依然として所得水準や社会インフラに課題を抱えているものの、もはや単純に「貧しい国」と表現できる状況ではありません。首都プノンペンを中心に経済発展が進む一方で、都市部と農村部の格差が拡大しており、「国全体の貧困」というより「所得格差」が大きな課題となっています。

カンボジアについて理解を深めるためには、経済成長による発展だけでなく、こうした社会課題や歴史的背景にも目を向けることが大切です。

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